土壌汚染調査
欧米では、以前から企業にとって土壌・地下水汚染のリスク管理はなされてきましたが、近年日本でも、同様の管理が必要となっています。2003年に国内で施行された土壌汚染対策法により、化学物質による汚染の可能性がある工場などを用地転換する際の汚染調査や、所有者や汚染原因者に対する立ち入り制限などが規定されています。更に同法は、2010年4月より改正され、自主調査などの項目が追加されています。
こうした流れをうけて、国内の金融機関等も、土壌汚染のリスクが土地の価値を大きく左右する可能性があり、債権保全の観点から、土地を担保とした融資の場合には、審査段階で環境汚染リスクを評価することが一般化しつつあります。
1.一般的な調査の流れ
フェイズ1 地歴調査
土地利用履歴等の資料調査、ヒアリング及び現地踏査により土壌・地下水汚染の可能性を評価します。
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フェイズ2① 概況調査
フェイズ1で土壌・地下水汚染の可能性が確認された項目について調査計画を立案し、表層土壌調査を行い、汚染の有無を把握します。
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フェイズ2② 詳細調査
フェイズ2①で表層土壌汚染が確認された項目について、深度調査により汚染深度を確認します。地下水汚染の確認等も承ります。
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モニタリング調査
土壌汚染対策工事による騒音、粉じん、悪臭等についてモニタリング調査も承ります。
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クロージング調査
土壌・地下水汚染対策完了を確認します。
・調査項目
第一種 特定有害物質(揮発性物質)
第二種 特定有害物質(重金属類)
第三種 特定有害物質(農薬等)
地下水の水質汚濁
*関係法令
2.建設発生土(残土)分析
建設工事に伴い発生する土砂等の埋立て処分、盛り土やたい積等を行う場合には、受け入れ基準を定め、 そ
の基準に適合するものを受け入れる様、条例で定めています。
3.地下ガス分析
地下水に溶けているガス(溶存ガス)及び大気中に放出されるガス(湧出ガス)を現地にて採取し分析します。
・調査項目
メタン、酸素、窒素、硫化水素、一酸化炭素
安全でおいしい農産物の生産やコスト低減を図るためには、過剰な肥料分は控え、不足している肥料分を補給する適正施肥が求められます。
土壌の健康診断をし、適切な肥料を土壌に与えることで、肥料コストを抑えるとともに作物の収量・品質の向上につながります。
・調査項目
水分、灰分、pH、EC、窒素全量、リン酸全量、加里全量、石灰全量、苦土全量、C/N比
ヒ素、カドミウム、ニッケル、クロム、水銀、鉛
*参考資料
2006年5月29日に「ポジティブリスト制度」が施行され、農薬、動物用医薬品及び飼料添加物の約800項目に残留基準値が設定されました。
さらに「ポジティブリスト制度」では、残留基準が設定されていない農薬等についても、一律基準0.01ppm)が設定されています。
消費者が求める「安全・安心」「信頼」を維持するためには、産地の生産管理、出荷前の自主検査、原材料の品質管理など、ポジティブリスト制度に対応したリスク管理と残留農薬検査が重要となります。
調査項目
残留農薬成分調査
国内登録農薬から使用履歴に合わせた農薬成分を分析します。
農薬類の気中濃度測定
安全確認のため農薬散布直後の大気中の濃度を測定します。